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医療大麻を認めない農耕民族と変化を選択した狩猟民族

医療大麻を認めない農耕民族と変化を選択した狩猟民族

麻の葉模様

前回は大麻をめぐる世界情勢について述べましたが、国内の状況に目を向けてみれば皆様がご存知の通りです。

この背景には西洋人と日本人との民族性の違いがあると思います。
西洋人は狩猟民族であり、常に変化に対応することが求められてきました。それに対して日本人はじっとして動かないものを扱う農耕民族であり、基本的に過去の経験による同じやり方を反復しながら生活してきました。
さらに西洋には侵略の歴史があり、いつ攻めてくるのかも何を考えているのかもわからない異民族と戦うために常に情報収集など高度な戦略を考えることが必要でした。それに対して海に守られていた日本にはそのような高度な戦略は不要でした。
このような歴史的背景により、日本人は総じて変化することを好まず石橋を叩いて渡ることが得意です。
このことが日本ではなかなか大麻が合法化されない理由のひとつでしょう。


私たちが勘違いをしてはいけないことは、法律を犯すことが良くないということと、大麻そのものが良いか悪いかということとは別の問題だということです。

手錠

鳥取で麻畑を営み大麻取締法違反で逮捕された人がおりましたが、あのケースでは大麻そのものがどうかという問題よりも彼が法律を犯したということのほうが格段に大きな問題でした。
なぜならば、彼は地域起こしの看板を背負い、税金を使って行政と一体となって大麻を取り扱っていた人だったからです。

それに対して高樹沙耶さんの場合は個人の問題です。代替医療行為として個人で大麻を用いていたのであり、物理的に他人に迷惑を掛けていません。
しかし彼女は釈放後、それまで石垣島で築いてきた法改正を目指す人たちの小規模のコミュニティを自らの意思で解体し、テレビ番組の取材で坂上忍氏が彼女を訪ねてきた時には後悔の念を語りました。


日本のマスコミは、高樹沙耶さんを面白い言動で世間の注目を集める芸能人というポジションに留めておくことを許さなかったのです。
坂上忍という弁の立つ兵(つわもの)を石垣島へ派遣したあの企画には、彼女を常識的なことを言う存在感の無い普通のおばさんに仕立て直して芸能人としての人生に幕引きをさせて、なおかつ、彼女のような人間が二度と芸能界に現れないようにする仕掛けが施されていたように思います。

坂上氏が「結局、あなたは推進派たちに都合良く捨て石にされたのだ」と言い聞かせて母親の話題に誘導して彼女に涙を流させ、「法を犯してしまったことを反省し、今後は大麻の啓蒙活動の第一線から身を引きます」と彼女に言わせます。
そして最後に坂上氏が「安心しました」と彼女を誉めたところで二人の対話は終了していました。
私は、今後の彼女には女優やタレントとしてではなく大麻ジャーナリストとして表舞台で活躍していただくことを期待し応援していきたいと考えていただけに残念な映像でした。
結局彼女は、覚せい剤やLSDで逮捕されて表舞台から消えていった有名人たちと同じシナリオに飲み込まれていったのです。

医療用大麻

もし欧米人の活動家だったならば「私が法を犯して世間様を騒がせてしまったことに対しては深く反省しております。ただ法律論ではなく客観的に考えて大麻は麻薬ではなく有益なものだと今でも確信しています。医療用大麻は必要です。これからは合法的に活動を続けてまいります。」と主張したかもしれません。
活動家が有名人であれば逮捕された後にそのような発言をすることで一時的に風当たりも強くなりますが、反面で支持者も現れて世間に議論を巻き起こすアクセルになります。
しかし、やはり彼女は、か弱い日本人女性でした。


これは以前にも書いた内容ですが、福島に多く住む私の親族で長老の人たちはインターネットをやらず、私がどのようなブログを書いているのかも知りません。
その長老の親族たちと久しぶりに会った時に、私が何も話していないのに、叔父の一人が「日本は麻をもっと利用すればいいのにな。高樹沙耶は別に何も悪いことをしていないのになんで逮捕されたんだ。昔は麻を吸ってる人なんて結構いたんだ。」と言い出し、それに対して叔母の一人が「日本人は洗脳されてるんだね」と会話をしていたので驚いたことがありました。
この時に私は、日本人で大麻が悪だと考えているのは戦後生まれの人たちばかりなのかもしれないと思ったのです。
坂上忍氏などテレビでMCをやっているような人たちは、そういう長老たちの意見も聞いてみる必要があります。


以上は私の個人的な主観なので異論もあるかもしれません。
しかし、いずれにしても大麻に対する認識がここへきて日本と欧米先進国との間で大きく乖離してきたことは確かであり、高樹沙耶さんの一件はその象徴的な現象だったと思います。
いままでうまくいっていた方法を神聖化して頑固に守り抜く日本人の傾向は、とくにマスコミや官僚組織に強く現れていると思います。
日本の技術力は高いと言われています。ITやAIなど先端分野を扱う企業に日本人の意識革命を先導してくれることを期待したいところです。

(やしろたかひろ)


「生きたい!」末期がん患者 山本正光さん、
医療用大麻を求めて訴訟を起こすも叶わず永眠。(2016年7月25日)



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大麻の二大薬理成分のうち、酩酊成分であるTHCは日本では購入することが出来ませんがCBDは合法的に購入することが出来ます。

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