経済大崩壊!! 今こそ、ベーシックインカムを考える時
経済大崩壊!! 今こそ、ベーシックインカムを考える時
地球上には、人類の全人口が生きていくために必要な量の物資があります。
家をつくる材料も、土地も、衣類を作るための糸を取る植物も、食べ物も、人間が生きていくために必要な物はすべて自然の恵みからもたらされているものです。したがって、本来はその人の経済的な裕福度とは関係なく、それらは人類全員に平等に分配されるべきものです。
ところが、貧しい人たちは、お金を持っていないために十分な食糧や生活物資を手に入れることが出来ません。その一方で、地球の全人口の半分を養えるほどの食糧が毎日廃棄されているのが現実です。
これ、何かおかしくないですか?
物やサービスをうまく循環させるために貨幣は必要です。生産活動を活発化させるために資本主義経済も必要でしょう。
しかし、今の社会はその根底となるシステムが間違っているのです。
経済が危機に陥ると、各国の政府がやることは量的金融緩和政策です。簡単に言うと中央銀行(米国ならFRB、日本ならば日銀)がお金をいくらでも刷って増やすということです。
政府は税収不足を補うために赤字国債を発行し、中央銀行がその国債を買うという手続きを取ることによって、社会に放出されるお金の量がどんどん増えていきます。
量的緩和によって増えたお金は、民間銀行から融資という形で大企業に流れていきます。
大企業はそのお金を雇用などに回すわけではなく、その多くを金融資産を購入するために使っているのが実情です。つまり、増えたお金は金融業界の中でただ循環しているだけなのです。
また、政府が国債を発行して得た収入も、その多くは上級国家公務員という既得権益層が自由に使える構造になっているので、どちらにしても庶民の生活は良くなりません。
以上が、企業の株価が上がっても庶民の暮らし(実体経済)が良くならなかった理由です。
そして、これが国際金融資本と言われる人たちが構築した世界の富の8割を1%の富裕層に集中させる仕組みです。
今、コロ〇問題によって世界経済がリーマンショックを超える経済危機に陥っています。いよいよ、経済システムの大改革をすることが必要なタイミングにきています。
安倍首相は「思い切った経済対策を講じる」と述べていますが、消費税を減税したり、1回だけ現金をばらまく程度では、もはや根本的な問題解決にはなりません。
根本的な解決策は、ベーシックインカムしかないでしょう。
ベーシックインカムとは、お金を金融機関を通して企業に配るのではなく、継続的に国民一人一人に直接配ることです。失業したとしても国民全員が最低限の生活が出来るように保証する政策です。
その財源をどうするかという議論がありますが、今までも国の税収が足りない時には赤字国債を乱発し、お金をどんどん刷って補填してきたわけです。
ベーシックインカムが成立する条件は、その国に全人口の生活を賄えるだけの食糧その他の生活物資が足りているかどうかだけです。お金は物資を流すための手段に過ぎないので、ベーシックインカムが可能か不可能かを財源論で議論するのはおかしいのです。お金が手段ではなく目的になってしまっているのが今の社会の問題点です。
ベーシックインカムの財源は、赤字国債を発行してお金を刷って補填するわけではなく、国の税収から捻出することが基本です。
人々が少しでも多く貯蓄をしようとする理由は、将来に対する生活の不安があるからです。
ベーシックインカムによってその不安が解消されれば、人々は銀行に必要以上の預金をしたり、訳の分からない金融商品に手を出して無理にお金を貯めようとする必要が無くなります。
そうすると、実体経済のほうにお金が流れて行き、世の中にお金がスムーズに循環するようになるので資本主義経済は活性化します。経済が活性化すれば国が企業から徴収することが出来る税金が増えます。その法人税収入がベーシックインカムの主な財源になるのです。
しかし、人々が銀行預金や金融商品に魅力を感じなくなると困るのが国際金融資本の人たちです。
国際金融資本によって牛耳られているのが、各国の中央銀行です。
したがって、ベーシックインカムが機能するためには、中央銀行が握っている通貨発行権を政府に移譲させる必要があります。
いずれにしても、近い将来には、今まで人間がやってきた労働の大部分をAIがやるようになり、多くの人々の仕事が無くなるので、否応なしにベーシックインカムを導入せざるを得なくなります。
ベーシックインカムの導入は、テクノロジーの進歩とセットで進むことになります。
※2020.4.8 追記
4月5日、スペインのナディア・カルビニョ経済大臣は「ユニバーサル・ベーシック・インカム(最低所得保障制度)」制度を導入することを発表しました。
...Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
(やしろたかひろ)