弥栄-いやさかの会

神武天皇は外国からの侵略者だったのか

神武天皇は外国からの侵略者だったのか



今回の都知事選挙は、告示の初日から実にさまざまな話題を振りまいています。
今度は、内海聡氏による「神武天皇は外国人の侵略者」という発言が議論を呼んでおり、内海氏と親しい関係にあった神道研究家の羽賀ヒカル氏も少々混乱気味のようです。

羽賀ヒカル氏は、神武天皇の一族がどこから来た人々だったのかという考察にはいくつかの説があることを話しています。


その中で「東北・関東説」とは、東北大学名誉教授の田中英道氏の説です。

田中英道氏の説は、もともと東北地方を中心に住んでいた縄文人が九州まで南下し、その後東征してヤマト王権を築いたという主張になっています。
そして、茨城県にある鹿島神宮は縄文の神を祀る神社であり、出雲大社系の渡来人が鹿島神宮系の縄文人に国を譲ったと主張されています。
しかし、これは一般的に語られている説とは違います。

鹿島神宮の主祭神は武甕槌大神(たけづちのおおかみ)であり、これは剣の神様です。
しかし、縄文人が龍蛇神や水神といった自然神を崇めることはあっても、人を殺傷する武器や戦いの神を崇めていたとは考えられません。
一般的に有力なのは、鹿島神宮は、ヤマト王権軍が当時東北地方を中心に栄えていた縄文人の国・日高見国を討伐するための拠点であったという説です。

ユダヤに端を発する渡来人が日本列島に入ってきて帰化した大きな流れは、弥生時代に2度あったと思われます。

その1度目は、紀元前3世紀頃に渡来した徐福の一行です。彼らが物部氏や忌部氏の祖となり、大国主系、出雲系などといわれています。

2度目は、紀元後3世紀頃に渡来した人々でした。
主に秦氏の祖となり、天照系、伊勢神宮系などといわれています。彼らはイエス・キリストを知っている人たちで、伊勢神宮にキリスト教の特徴があるのはそのためだと思われます。

この二つのユダヤ系の集団が政権交代をした話が、古事記にある国譲り物語の原型であると考えられます。
そして彼らが日本列島に渡ってきた際のルートが、沖縄経由だったり、対馬経由だったりということなのでしょう。

神武天皇は天照系なので、実在したとすればその即位は紀元後3世紀以降のはずなのですが、「日本書紀」の記述に基づく年代からいえば紀元前7世紀頃に即位したことになってしまい、矛盾します。
このようなことから、神武天皇は実在しなかったとされ、神武東征の物語は第10代とされている崇神天皇の物語だったのではないかという説が提唱されています。



神武天皇は侵略者だったのか


さて、このように歴史を追っていくと、やはり、神武東征とは、外来の天皇による日本侵略の物語だったのではないかということになってしまいます。
天皇の権威が確立する基礎となった政策を実施したのも、ペルシャ人ではないかといわれている聖徳太子です。

しかし、ここでは、日本という国家の定義、日本人という民族の定義をどのように捉えるかが問題になります。

日本列島に人が住み始めたのは約4万年前といわれており、そもそも縄文人も大陸から渡ってきた人々でした。
縄文時代の途中の時期にも、大陸から新しい人々が流入して日本列島に定住したということが何度もあったと考えるのが妥当でしょう。
そう考えると、弥生時代に日本列島へ渡ってきた人々も、時期が違うだけということになります。

そして、間違いなく言えることは、現代に生きる我々日本人とは、そのような日本の長い歴史の中で、多民族が混血を繰り返した結果生まれてきたハイブリッドであるということです。
内海流のネガティブな言い方をしてしまえば、私も内海さんも侵略者の子孫だということになってしまいます。
現代の日本に、遺伝子学的に言って、生粋の縄文人というのは存在していないでしょう。

また、日本人は「日本固有の領土」という概念を強く持っている国民です。
それは、日本列島は四方が海で囲まれており、地理的に見て自国と他国との区別が明確になっているという立地に基づいています。

しかし、ヨーロッパのように、古代から何度も戦争が起きて、何度も国境線が変わるという歴史が繰り返されてきた地域の人々は、日本人ほど「固有の領土」という意識は強くありません。
そして、陸続きであるがゆえに民族の移動も繰り返されてきたので、国家と民族との結びつきは曖昧です。

天皇とは、古代の日本人が決めた国家元首であり、その権威は現代でも多くの国民に認められています。
そして、第二次世界大戦で日本が敗戦した直後のGHQによる占領時代などでは、皇室の存在が日本人のアイデンティティの支えとなっていたことは確かです。

皇室がこれからどうなるかについては、時代の変遷、人類の価値観の変化によって変わってくるでしょう。
少なくとも今は、私たちハイブリッドたる日本国民の象徴として、縄文と弥生の統合の象徴として天皇が存在しているのです。

(やしろたかひろ) 


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