令和天皇は龍蛇信仰をテーマとする歴史を開く講演を行っていた
令和天皇は龍蛇信仰をテーマとする歴史を開く講演を行っていた
2022年(令和4年)4月23日、熊本で開かれた第4回アジア・太平洋水サミットにおいて天皇陛下が行った記念講演は、日本に縄文時代以前から存在していた山岳信仰や龍蛇信仰について説明するという内容でした。
この出来事は、水瓶座の時代、風の時代の到来を思わせるものだったと言うことができます。
日本の皇室が長い間保たれる根拠となってきた文献が古事記と日本書紀です。
天照大神を皇祖神とする天孫族が出雲族から国を譲り受けた時からヤマト政権が始まり、これが日本建国の正当な史実であるとされてきました。
しかし、この国譲り神話の実態は、弥生時代に渡来してきた人々が日本の先住民族と戦って国土の支配権を得た物語であったことは、以前に説明しました。
世界の要人が集まるサミットにおいて、天皇陛下がある意味でご自身の先祖の敵陣とも言える日本先住民族の信仰を紹介したことは、新たな歴史の扉を開く大きな出来事でした。
天皇陛下は水への感謝と畏怖から起きた蛇にまつわる神話が世界中に広がっていたことを話した後、神仏習合・宗教統合の象徴であった日本の宇賀神信仰について説明しました。
この講演は、自然信仰を土台として世界中の人々が繋がり合っていた時代を振り返り、これから来る新しい時代へ向けて全人類が再び和合していくことを呼び掛けた日本からの発信であったと言うことができるでしょう。
『これは縄文時代の土器ですが、蛇の文様をかたどっており、古来より蛇が信仰の対象となっていたことが伺われます。実は、古代から蛇を神、或いは神の使いとして祀る例は日本だけでなく、アジア、欧州、南北アメリカ大陸、アフリカ、とほぼ世界中に広がっており、また多くの場合、そうした蛇には大雨、日照り、雨乞い、虹や雲と言った水文や気象にまつわる神話や伝説、言い伝えが残されています。』
『人々の水への想い、感謝や畏れは、蛇や龍の形を取り、大陸から海を渡り、各地域を繋ぐ文化の一部となったのです。時間と距離を超えた人と水との深い関わりは、アジア太平洋地域に住む私たちにとって、ゆるぎない共感と連帯の土台を形作っているように思えます。』(天皇陛下)
天皇陛下のスピーチの書き起こし(ノーカット)は宮内庁のホームページに掲載されています。
https://www.kunaicho.go.jp/page/koen/show/8
(やしろたかひろ)
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