アラヒト女神の降臨と創造空間の始まり
アラヒト女神の降臨と創造空間の始まり
1960年代にアメリカから発祥したしたヒッピー・カルチャーは、既存の伝統や権力に対する非服従や反戦などをスローガンに掲げた対抗文化(カウンターカルチャー)であり、男性性の強いものでした。
これと対照的なのが、近年日本を中心に起きている女神カルチャーではないかと思います。
女神カルチャーとは、女性が自分自身を肯定的に表現し、美や健康や芸術、仕事などさまざまなトピックに関する活動を含むものです。
ヒッピーたちのように既存の社会に対抗するような思想は含んでおらず、物事や空間など新しく何かを創造していくことを基本精神としています。
私は、レムリアは女性性に偏り過ぎて滅び、アトランティスは男性性に偏り過ぎて滅んだと考えています。
地球文明の目的とは、二極が統合されるプロセスを体験すること。両極のバランスが取れた時に文明は成熟期を迎えるのです。
現代の私たちの社会はアトランティスの末期と同じ状態にあり、その振り子を反対側に戻すために今は女神たちの力が必要です。
長崎県の離島・壱岐島で町おこしを手掛けた女性がいました。この女性をTさんとしておきます。
彼女はこの島の出身者ではなかったのですが、自治体の信任を受けて観光大使に任命されていました。
ところが、Tさんがやったことは、公園にテントを張りスポット的によそから大勢の人を集めた屋外イベントでした。
この地域のイメージとはかけ離れた内容で、巨大スピーカーを使用して騒音を立て、最後には公園の芝生が剝がれて荒らされていたということもあり、近隣住民から反感を買い議会でも問題にされて彼女は観光大使を解任されてしまったのでした。
Tさんはスピリチュアリストですが、町おこしの目的や観光という言葉の意味をよく理解せずにヒッピー的な活動に走ってしまい、地域住民と摩擦を起こしてしまったようです。
自治体が町おこしを考える時にはその背景に切実な悩みがあり、地域経済を潤したり、過疎化を止めることなどがその目的になっています。
エコビレッジ活動などもそうなのですが、スピリチュアルに偏り過ぎて現実社会の成り立ちをしっかりと理解していない人がこのような活動を手掛けると、必ず既存の社会と摩擦を起こして失敗します。
このTさんと連携をとった人で、さやかさんという30代の女性がいます。
彼女もこの島の出身者ではなく、またTさんのように観光大使に任命されたわけでもないのですが、Tさんが所有していた資源を引き継いで独自のやり方で壱岐島で活動を始めました。
化粧品などの通販業を手掛ける実業家でもあったさやかさんは、土着の人たちと一緒に創造空間をつくり、新規事業を起こして高額納税をすることによって島の経済を潤すというビジョンを掲げました。
彼女ががまず最初に実行したことは、永住を決意してこの島に移住し、島の神社に大きな金額の寄進をすることによって、島の人々と神様に自分を住民として受け入れてもらうということでした。
彼女はその後、島の男性と結婚し、自分の両親と兄弟も移住させています。
そして、今は地元の人たちを巻き込んで有機農場と飲食店、宿泊所、イベントホールなどを連携させた観光客も呼べるような複合事業計画を進めており、とても楽しそうな女性性のコミュニティーづくりを始めています。
新規事業を起こすための資金は全国に存在している彼女の活動の支援者から借入れ、その利子の代わりに毎月大量の有機野菜を送り、土木工事や建設工事は大手メーカーを通さずに島の業者に直接発注しています。
彼女は典型的な女神系のスピリチュアリストであり、初期には近隣住民からかなり怪しまれたようですが、この島を活性化させるためにここまで現実的な活動をしていれば誰も文句を言えなくなるでしょう。
男性性の思考は戦争反対、原発反対、利権反対……といったように、どうしても今の社会の何かを終わらせることばかりに思考が偏りがちです。
私の場合は自称カルト宗教研究家であり、宗教を終らせなければならないことを主張してきました。
しかし、そのような思考自体が古い時代に対する執着なのかもしれません。
今の流れを見れば、宗教は放っておいてもそのうち終わるでしょう。
このようなアラヒト女神たちの活動を知るようになってから、最近の私は、今本当に大切なことは何かを終わらせようとすることではなく新たに何を始めることではないかと考えるようになりました。
各々がこれから何を創造していくのかということが、この時代に生きている人たちの共通の課題なのではないでしょうか。
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(やしろたかひろ)
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