日本神話-天岩戸開と天孫降臨・神武天皇の誕生・建国・十種神宝【弥栄-いやさかの会】
スピリチュアル社会学
イギリスの歴史学者アーノルド・J・トインビーは「12~13歳までに民族の神話を学ばなかった民族は必ず滅びる」という言葉を残しています。1945年12月15日、GHQは日本政府に対して「神道指令」を発し、国家神道、皇室の伝統、歴史教育を全面否定することを求めました。
日本神話(2) 天岩戸開と天孫降臨・神武天皇の誕生・建国・十種神宝
天岩戸
イザナギ(伊邪那岐神)は、黄泉の国から帰還し、日向の橘の小戸の阿波岐原で禊を行った際に、「三貴神」と呼ばれるアマテラスオオミカミ(天照大神)、ツクヨミ(月読命)、スサノオ(須佐之男命)を産みました。
ところが、スサノオが高天原で粗暴な行為をしたので、天照大神は天の岩屋に隠れてしまいます。すると、この世は真っ暗闇と成ってしました。
困り果てた八百万の神々は天の安河の川原に集まり、対応を相談しします。そして大宴会を行うことになりました。
その宴会の中心的な神様が、女神のアメノウズメ(天宇受賣命、天鈿女命)でした。
ウズメは岩戸の前に桶を伏せて踏み鳴らし、胸をさらけ出し、裳の紐を陰部までおし下げて踊ります。すると、高天原に八百万の神々の笑い声が響き渡りました。
天照大神は「自分が岩戸に篭って闇になっているのに、なぜ、アメノウズメは楽しそうに舞い、八百万の神は笑っているのか」と言って、天岩戸の扉を少し開けて顔をのぞかせたのです。
アメノウズメが「貴方様より貴い神が表れたので、喜んでいるのです」というと、アメノコヤネ(天児屋命)とフトダマ(太玉命)が天照大神に鏡を差し出します。
鏡に写る自分の姿をその貴い神だと思った天照大神は、その姿をもっとよくみようと岩戸をさらに開けると、隠れていたアメノタヂカラオ(天手力男神)がその手を取って岩戸の外へ引きずり出します。
ついに神々の計画通りになり、世界は明るくなりました。
※スサノオが粗暴な行為をしたという話は誤解釈であった可能性があります。
ニニギの天孫降臨・神武東征
天照大神が天界から下界を見下ろすと、色々な混乱や揉め事がたくさんありました。
そのため天照大神は孫のニニギノミコト(瓊瓊杵尊/以下「ニニギ」と言う)に高天原から地上に降りて平定をするように命令を下します。そして、その証明書として鏡・勾玉・剣の三種の神器を授けました。
また、三種の神器とともに人々が飢えないようにと稲穂を持たせました。
こうしてニニギは地上(葦原中国/あしはらのなかつくに)を平定するために降りてきます。このことを「天孫降臨」と言います。
ニニギは地上でコノハナノサクヤヒメ(木花開耶姫)に求婚しました。
父のオオヤマツミ(大山祇神)はそれを喜び、姉のイワナガヒメ(石長比売、磐長姫)と共に差し出しますが、ニニギは体が頑丈だが醜かったイワナガヒメを送り返し、体は弱いが美しいコノハナノサクヤヒメとだけ結婚しました。
これが、天界の者と地上界の者が初めて結ばれた話です。
ニニギの孫がカムヤマトイワレヒコ(神倭伊波礼毘古命)でした。これが後の神武天皇です。
イワレヒコは、荒れた国土を平定しなければいけないと思い、八咫烏(やたがらす)の案内の元に東征を行いました。
そして、西暦紀元前660年2月11日、奈良の橿原村において天皇即位を宣言するのです。これが初代天皇の誕生となりました。
もう一つの天孫降臨・ニギハヤヒ
ニギハヤヒ(饒速日命、邇藝速日命)は、物部氏の祖神であるとされ、『古事記』の中で、神武天皇の東征において大和地方の豪族であるナガスネヒコが仕える神として登場します。
ニギハヤヒは、アマテラスから十種神宝(とくさのかんだから、じっしゅしんぽう)を授かり、天磐船に乗って河内国(大阪府交野市)の河上の地に天降り、その後大和国(奈良県)に移ったとされています。
これは、ニニギの天孫降臨説話とは別系統の天孫降臨説話になっています。
イワレヒコ(後の神武天皇)が東征し、それに抵抗したナガスネヒコが敗れた後、ニギハヤヒは、イワレヒコが天照大神の子孫であることを知り、イワレヒコのもとに仕えました。
ニギハヤヒの子である宇摩志麻治命(うましまじのみこと)が十種神宝を使って神武天皇と皇后の心身安鎮を行ったのが、宮中における鎮魂祭の起源であると言われています。
十種神宝
沖津鏡(おきつかがみ)
辺津鏡(へつかがみ)
八握剣(やつかのつるぎ)
生玉(いくたま)
死返玉(まかるかへしのたま)
足玉(たるたま)
道返玉(ちかへしのたま)
蛇比礼(おろちのひれ)
蜂比礼(はちのひれ)
品物之比礼(くさぐさのもののひれ)
※『先代旧事本紀』の記述によれば、「一二三四五六七八九十、布留部 由良由良止 布留部(ひと ふた み よ いつ む なな や ここの たり、ふるべ ゆらゆらと ふるべ)」と唱える「ひふみの祓詞」や十種神宝の名前を唱えながらこれらの品々を振り動かせば、死人さえ生き返るほどの呪力を発揮するという。
日本は世界最古の国家である
日本では、神武天皇が即位したとされる2月11日を建国記念の日と定めています。
実在したことが文献的に証明されているのは、42代文武天皇(在位:697年8月22日~707年7月18日)からです。
文武天皇から始まったと仮定しても1300年以上前の建国となるため、日本は世界一古い国家であることがギネスブックでも認定されています。